皆さんは寒天は何からできているのか知っていますか?
みなさんも寒天を口にする機会は少なくはないかと思います。
しかしながら、寒天が何でできていてどのように作られているのかといったようなことを知らない人も多いでしょう。
今まで特に気にもならなかったという人も多いかと思いますがよくよく考えてみると寒天って何でできているのか見当もつきませんよね。
どんなものが主成分でどのような効能があるのかといったようなこともあまり知られていません。
そこで今回は寒天についていろいろと書いてみました。
固まる温度や濃度といった実用的なことについても書いていきますね。
今回のお届け内容は↓
- 寒天の主成分は?
- 寒天の原材料は?
- 寒天が固まる温度や濃度は?
となっています。
それでは発送開始!
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寒天の主成分は?
まずは寒天の主成分についてです。
寒天の主成分は食物繊維。
というのも寒天に含まれる成分のうちおよそ8割は食物繊維なのです。
これは全食品の中で一番高い割合となっています。
また、食物繊維が8割なのでカロリーがほとんどないというのもうれしいところ。
それだけでなく食物繊維には水分を吸収する働きもあるため便が柔らかくなり便秘の解消に繋がります。
他にも食物繊維には、
- 食後の血糖値の上昇を抑える働き
- 血液中のコレステロール値を抑える効果
といったような効能が認められています。
また、主成分は食物繊維なのですが他の成分も見逃してはいけません。
というのも、寒天には食物繊維以外にも有用な栄養成分が含まれているのです。
例えば、寒天にはミネラルが豊富に含まれています。
特に多く含まれているのは、
- カルシウム
- 鉄分
- リン
といった種類のミネラルです。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の生成に欠かせないミネラル。
骨粗しょう症の予防に効果があるとされています。
リン
リンもカルシウムと同じく骨や歯の生成に大切なミネラル。
エネルギーを作り出す過程でも重要な役割を担っています。
鉄分
鉄分は血液を作るのに大切なミネラル。
貧血の予防に効果があるとされています。
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寒天の原材料は?
続いては寒天の原材料についてです。
冒頭にも書いたように寒天が何でできているのかわからないという人も多いでしょう。
寒天は、
- テングサ
- オゴノリ
といった海藻が原材料となっています。
そしてこれらの海藻の粘液質を、
- 凍結する
- 乾燥する
といった手順で寒天に加工します。
あまり馴染みのない海藻だと思うので軽く紹介しておきますね。
テングサ
テングサは紅藻類テングサ科の海藻。
紅藻類という名前にあるように赤紫色をしています。
他にも、
- 体高10~30センチメートル
- 茎枝の太さ1ミリメートル
- 小枝の太さ0.2~0.3ミリメートル
- 枝が樹枝のように分枝している
- 海の中では20~30cmの半球状に広がっている
- 深さ20メートルまでの海底に生息する
- 5~10メートルの深さに多く生息する
といったような特徴を持っています。
ちなみにテングサの別名は石花菜(せっかさい)。
オゴノリ
オゴノリも紅藻の1種。
これには、
- 日本各地沿岸の潮間帯に生息する
- 長さ20〜30cm
- とても細い円柱状で分岐している
- 夏になると体に直径0.5〜1mmのつぶ状の嚢果をつける
といったような特徴があります。
オゴノリもテングサと同じように寒天の原料となりますがそれ以外に刺身のツマといても使われる。
2つの違い
2つの違いをわかりやすくまとめておきますね。
まずオゴノリはテングサに比べてゲル強度が低いという性質があります。
簡単に言えばオゴノリはテングサに比べて固まりにくいということ。
そのため、オゴノリは水酸化ナトリウム溶液でアルカリ処理してゲル強度を上げてから使われます。
なので、オゴノリで作られた寒天は工業寒天と呼ばれます。
そして、それに対してテングサで作られた寒天は天然寒天と呼びます。
天然寒天と工業寒天にと違いがあります。
それは工業寒天は天然寒天より、
- 健康成分が少ない
- 弾力性が低い
といったもの。
天然寒天は価格は高いですがこちらを選んだほうが良いのは確実です。
価格を気にしないのであれば天然寒天を買うようにしましょう。
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寒天が固まる温度や濃度は?
最後は寒天の固まる温度や濃度について書いていきますね。
寒天が固まる温度は?
寒天には、
- 加熱することによって溶解する
- それを冷やすと凝固する
- そして凝固してゲルになったものを再加熱すると再び液体に戻る
といったような性質を持ちます。
ちなみにこの性質は熱可逆性といいます。
ここで重要なのは寒天を溶解する温度とゲルを溶解する温度は違うということ。
これに関しては少し複雑なので箇条書きでまとめると、。
- まず寒天が溶解する温度は90度以上
- それから冷やして凝固する温度が40~50度
- そして一度凝固したものが溶解する温度は70度
といったようになっています。
一度凝固したものでも溶解するのはこのような高温です。
なので、常温ではまず解けることはありません。
気温が70度くらいまで上がるようなことなんてありませんからね。
それに比べてゼラチンは凝固した後でも25℃以上になると溶解してしまいます。
すなわち夏場では常温下にあっても溶けてしまうということ。
実際に夏場にグミを常温で保管していたら溶けてべたべたのなったという経験をしたことがあるという人も多いでしょう。
あれは熱によりゼラチンが溶けてしまっているからなのです。
また、ゼラチンは20度前後まで下がらないと凝固しませんが寒天はそれの2倍の温度でも凝固してくれるので扱いやすいというメリットもあります。
寒天が固まる濃度は?
続いては寒天が固まる濃度についてです。
寒天はゲル強度が高いので1リットル当たり10グラムもあればしっかりと固めてくれます。
1~1.5%程度で最適の食感になるということを覚えておきましょう。
ちなみにゼラチンは1.5〜2.5%程度が目安。
この濃度でゼラチンを溶かして固めればゼリーを作ることができます。
ただ、グミを作るとなると更に濃度を濃くしなければなりません。
なので、ゼラチンに関しては作るものによって濃度を使い分ける必要があると言えます。
まとめ
今回は寒天についていろいろと書いてみました。
寒天についてそこまで知らなかったという人も少しは詳しくなれたのではないかと思います。
この知識を活かしてぜひ寒天を活用してみてください。
今回はここまで。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。